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2015.03.09 Monday

地味すぎる日常が、人々とつながっていく面白さ

 

『おみおくりの作法 Still Life

監督:ウベルト・パゾリーニ 2013年 イギリス/イタリア 91

http://www.bitters.co.jp/omiokuri/introduction.html

タイトルが気になって見に行った映画だった。どうやら巷の評判がいいらしいことも知っていたが、いかんせん地味そうな映画で僕の好みだ。イギリスの映画にはケン・ローチをはじめ、社会問題を上手に扱う映画がある。この映画も孤独に亡くなった人の身内を探して、遺品を渡したり、その葬儀があることを知らせたりする役所の民生課の男の話だ。ジョン・メイを演じるエディ・マーサンがとてもいい。オフィスでもひとりきりの部署で、人が嫌がる類の仕事だ。孤独に死ぬ人にはワケありの人が多いのだろう。身内を訪ねても迷惑がられるような場面がある。故人が評判が悪いケースもある。映画では、その単調で退屈そうな仕事と、潔癖症を想起させるような仕草が繰り返される。リストラされるジョン・メイが、最後の仕事で執拗に故人の身内を探しだすところが、後半では描かれるのだが、いつもはそこまで執着して探すこともないだろうし、人知れず葬儀が行われて埋葬が済んでしまう人がほとんどなんだろう。ジョン・メイの執着が、知人のつながりを手繰り寄せていく。最後は彼自身がそういう名もない故人のひとりとなってしまうのだが、墓地でのラストシーンは素敵だ。そういえば、日本ではこういう仕事をする部署が自治体などにあるのだろうか?

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