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2012.01.29 Sunday

『ドグラ・マグラ』と松本俊夫先生 日大最終講義

  原作を読んだのは学生の頃だと思っていたら、映画化される少し前だった。本棚を探してみたら、角川文庫の帯に「ついに、映画化なる!」と書いてある。僕はその頃、初めてのドキュメンタリー・ビデオを作り、それが舞踏家のドキュメンタリーだった。その舞踏家は精神病院での舞踏療法も行なっていて、85年から86年にかけては撮影で何度も精神病院を訪ねた。開放療法で有名だった青森の青南病院のことは、写真家の羽永光利さんからうかがった。青南病院でも舞踏療法が行われていたからだ。羽永さんの写真集『砂丘の足跡』は1985年、千葉元院長の追悼として刊行されたものだ。頂いた写真集を見返してみると、千葉元院長が推進していたアートセラピーで患者が作った作品が多数収録されている。1959年の開院から、少しずつ切り開かれた病院の敷地には様々な彫刻や社の類も散在していて、仏像から、道祖神やトーテムポールまで、多くの神仏が無造作に配置されている。まさに、映画の開放治療場にあった仏像の頭部のようなものもある。曖昧な記憶だが『ドグラ・マグラ』をこの病院で撮影する計画があったという話も聞いた気がする。舞踏家だけでなく様々なジャンルの芸術家とも交流があったというから、そういう話が持ち上がっていたとしても不思議ではない。内科画廊の宮田国男さんが釧路に「つるい養生邑」を計画した時も、青南病院を何度も訪れていたらしい。そんなことを次々と思いだした。『ドグラ・マグラ』をその後に読んだのも、実現しなかった映画のはなしの時に誰かに薦められたからだろう。そもそも、その舞踏家・石井満隆氏のドキュメンタリーを撮ることになったのは、石井氏が指導した青南病院での舞踏療法のビデオが、開設したばかりのビデオギャラリーSCANで公開され、中谷芙二子先生が僕にその経緯を教えてくれたからだった。
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