SVP2「3.11映像作品集」が「福島映像祭」サブ会場でご覧いただけます。
Cine Malaysia2013(マレーシア映画祭)に行って来ました。
http://cinemalaysia.com
マレーシア映画の現在を紹介する映画祭のことを、マレーシア通の知人・三浦菜穂子さんが教えてくれた。ここ数年の長編、短編が集められているようで、楽しそうな映画祭だ。このCine Malaysia 2013はオーディトリウム渋谷で開催されてたので、25日(土)に出かけた。この日はマレーシアでお世話になった久貝京子さんが上映後にトークをするというので、21:30〜の短篇集を観ることになった。渋谷「とりしょう」で服部君と軽くビールと「黒霧島ロック」を決めて、会場に向かった。僕らは2009年、10年、11年と3回マレーシアに行っているけれども、その時にはマレーシアのビデオ・アーティストとの関係が主だったので、現地で公開されている劇場映画は全く見ていなかった。マレーシアやインドネシア、フィリピンで開催されているインディーズ映像祭の作品は見せてもらっていたので、短編は随分と見ていた。偶然にも、この日の21:30〜のプログラムは短編3作品だった。
会場について、少し時間があったので、1階のカフェでコーヒーを飲もうと思ったら、久貝さんが忙しそうにご飯を食べていた。打ち合わせも兼ねての様子だったので、その場は挨拶だけだったけど、元気そうな笑顔だった。久貝さんにはマレーシア滞在中にずっと同行していただいて、本当にお世話になった。思い出せば、幾つもの珍事が蘇ってくる。楽しかった。
上映後にご挨拶をして、記念撮影。帰りは月曜日ということなので、今回はこの時の再会でお別れですね。次はゆっくりと出来るといいですね。
久貝さんが「くだらないいんですけど、、、」と言うので、何かまた、珍事かと思ったら、マレーシアのインスタントラーメンを頂いた。写真がいかにも辛そうだけど、マレーシアのこういう麺料理はとても馴染みやすかった。現地にはいろんな麺料理があって、ラーメンのようなものや、焼きそばのようなもの、味も麺の種類もたくさんあるんです。ありがとう、久貝さん。明日のお昼にいただきます。またお会いしましょう。
3.11プログラム ケルン上映の報告
というのを、報告が遅れた言い訳にしようとしていますが、11月3日に行われたケルン市での3.11プログラム上映についての報告です。
お伝えしました通り、11月3日のドイツ•ケルン市でのイベント、Lange Nacht der Koelner Museenの一環として、ケルンの国際交流基金支部、日本文化会館にて19時半の第一回上映を皮切りに計3回、3.11プログラムが上映されました。
上映会場となったケルン日本文化会館の上映ホールに入った客数はおおよそですが、
入れ替わりながらも毎回10名は入っていたと思います。
予想に反して少ない客入りになった感がありますが、これは今回の上映の条件にも因があったかもしれません。
通常、この日本文化会館での展示や上映などの企画は入場無料なのですが、今回はLange Nacht der Koelner Museenの一環だったため、
運営管轄がこちらのイベントの主催者となり、Lange Nacht der Koelner Museenの有料共通パスが必要となりました。
また上映時間も少しタイミングが悪かったかもしれませんが、こちらは同館の別の企画との調整事情がありました。
(ちなみにLange Nacht der Koelner Museen自体の動員数は2万人だったそうです)
通常と違う状況でしたので、お客の入りが少なかったのは残念ではありましたが、
普段、ビデオアートや実験映画の上映にはその手の客層しか集まらないことを考えると、
今回はそれ以外の客層の人が入り、そうした人に向けてこのプログラムの背景を説明する機会があったこと、
また故に関心を以て見ていただく機会にはなったと思います。
このプログラムの作家が皆、震災当時はその震災の場にはいなかったこと。
しかし同じ日本人として、この出来事をどう捉え、葛藤を抱えているかが垣間見えるのではないか、と紹介しました。
震災現地の様子はドイツの人もニュースなどでかなり目にしている筈ですが、震災地以外の地域で日本人がこの出来事と
どのように向き合っているかを見てもらう機会はそうありません。
そうした意味でこのプログラムは違う視点から震災を見るものにもなるのだと、私自身改めて気がつきました。
当日の会場には参加作家の大島慶太郎さんと佐竹真紀さんにも来ていただきました。
お二人に当日の様子やレポートを頂きましたので、以下、ぜひ一読下さい。
(大島さん、佐竹さん、ありがとうございました)
今回は上記の事情もあり、観客数は限られたものになってしまいましたが、
もしかしたらまた来年、再上映の機会を作ることもできるかもしれません。
その際はまたどんな反応が来るか、レポートを送りたいと思います。
以上、報告と共に、改めて参加作家の皆さんへはお礼を申し上げます。
中沢あき
*****
311-What is to be remembered? ケルン、日本文化会館での上映に参加して
時間と場を隔てて、異国で改めてこの問題と向き合うことに、何とも言えない重みを感じざるを得ませんでした。そして、写真、映像ともにメディアとして表現者の立場からどう捉え伝えて行くかという意味で、SVP2の活動と海外でこのプログラムが上映されることに深く共感を覚えました。
また、ぼくらは北海道を拠点とする作家ですが、他地域の作家の皆さんの作品を通して感じられる視点が、ぼく等と大きく違うことに驚きました。ネットやTVの報道等から得られる視覚情報とも違い、生々しく、でも映し出された光景に体験的なリアリティがないので、違う世界のことの様でもあり、不思議な感覚でした。国内においても制作する地域によって、視点のズレが生じることも大変興味深かったです。
昨年のマレーシアでの上映以来、お世話になっりっぱなしで恐縮ですが、今回もケルン滞在中という良いタイミングで上映されたことに大変感謝しております。SVP2、あきさん、ありがとうございました!
帰国後は、是非是非、北海道でも上映させて頂きたいと思っております。
大島慶太郎、佐竹真紀
3.11 ドイツ•ケルンでの上映
さて今年のケルンのLange Nacht Koelner Museen(11月3日開催)の一環として、3.11のプログラムも上映されることになりました。
ケルン日本文化会館 Japanisches Kulturinstitut で開催中の震災復興関連写真展「いきる」に合わせたプログラムとして、館内上映ホールで3回、上映されます。
日本からすぐに足を運んでいただける場所ではありませんが、もしケルンに居る機会があれば、または近郊在住のお知り合いがいれば、ぜひお越しください。
詳細は以下、ケルン日本文化会館 Japanisches KulturinstitutのHPにて(独語のみ)。
あの震災をアーティストたちはどう捉え、どう伝えようとしたか。
その形を、報道を通じて日本の震災に共感と関心を常に表明してくれているこの国の人たちに見てもらえればと思っています。
「京都国際インディーズ映像祭」は、手作り感と前に進もうという熱意が心地よかった
SVP2 3.11からの展望 ビデオと野菜 Video or Vegetable
SVP2 3.11からの展望 ビデオと野菜 Video or Vegetable
東日本大震災から数ヶ月たった2011年の夏。第二回KLEXに向けて「3.11」プロジェクトを計画していた。同じ頃、東京から北に80キロ離れた郊外に小さな有機農園ができた。その農園主はかつてSVP2のメンバーであった。彼の名はオブチカズオという。彼は自分の農園をイムラボと名づけた。イムラボは「お腹いっぱい研究所」を隠喩する。オブチカズオは数年前に東京を離れ、日本とアジアの農園を巡り帰国し、実際に有機農家に1年住み込みで修行したのち、イムラボを開いた。開園の年は、大震災と福島の原子力発電所爆発事故として、日本の歴史に深く刻まれた。放射能被害に見舞われ、風評被害を被りながらも、今も彼は農園を続けている。
2012年8月18日。東京にイムラボの有機野菜の小さな市が立った。SVP2の主宰する「真夏の無礼講2012」でのことだ。我々としては、初めての生もの販売だったが、来場者から好評を得ただけでなく、SVP2と無礼講の今後のあり方に示唆的な出し物となった。
有機野菜はビデオと同じようにメッセージを伝える。オブチは自ら栽培した有機野菜を販売しただけではなかった。彼は元映像作家として「3.11」プロジェクトにも参加していたのだ。2011年の地震と福島第一の事故は、放射能による食物汚染の危機を私たちに再認識させた。農薬や化学肥料を使わずに、安全な食物を自ら育て提供することは、オブチの体からにじみ出てくる「3.11」プロジェクトへのメッセージでもあったと解釈できる。野菜栽培が映像表現と同じようにメッセージを持ちうること、この共通点はオブチにも我々にも盲点であった。そのためオブチの有機野菜は当日資料には明記されていない。
もちろん有機野菜栽培はいいことずくめではない。有機農法は農薬や化学肥料を使わず、昔ながらの方法で野菜を育てる。土と太陽と水だけでなく、家畜や農家や消費者までも含めた安全な循環を目指す。そのため機械化することが難しく、栽培に手間がかかる。台風などの水害や雨不足による干害、害虫や雑草など、自然と素手で格闘し続けなければならない。土壌を労わって連作も出来ない。栽培する種目は多いけれど、それぞれ収穫は少量だ。形も大きさも不揃いで、収穫と出荷に手間がかかる。生産量が少ないから、値段も高く、購入者を見つけることも難しい。有機野菜についてオブチが並べ立てた負の要素は、映像作家も自身の制作を通して共感できるだろう。そんな不自由に関わらず有機農業家も映像作家も日夜作り続ける。それは困難な行為そのものに、両者とも価値を見いだしているからに違いない。
美術館やギャラリーが扱わない、美的なものがこの世の中には沢山ある。YouTubeの時代のビデオアートも、AKB48の時代のロックンロールも、大規模農園による一極大量生産の時代の有機野菜も、そういったものの1つに数えたい。それらは媒体は異なるが作者の体からにじみ出てくる表現として共通の底辺で結ばれている。ビデオアートの上映会から始まった「無礼講」は今年で15年、17回目の開催となった。今この「無礼講」を再定義したいと、私は考えている。無礼講を、私たちにとって表現とはなにか、と媒体を問わず来場者全員に広く問いかける集まりとして再定義したい。そして、その表現の底辺を国内外を問わず広げてゆきたい。有機野菜をきっかけにSVP2の進む路が、田んぼの畦のように現れた。オブチカズオに感謝をしたい。(Spread
Video/Vegetable Art Project 2 服部かつゆき)
映像作品集「3.11」の福岡上映会も無事終了しました。
3月26日 福岡で「3.11」プログラム上映会
福岡市大橋で映像作品上映会を行いますので、お近くの方はよろしくお願いします。
昨年、SVP2から「3.11」(3分11秒短編映像作品集)の制作を映像作家たちに呼びかけ、18作品が集まりました。これらの作品は11月に行われた「第2回クアラルンプール実験映像祭」(マレーシア)で公開されました。また、先日、東京でも上映会(詳細リンク)を行いました。
九州大学大橋サテライト「ルネット2F」西鉄大橋駅のすぐそばです。
参加費:1000円
参加申し込み:FUKUOKA デザインリーグ事務局
Tel:092-551-0825/Fax:092-405-0825
「3.11」プログラム上映会(国際交流基金さくらホール)ご参加ありがとうござました。
「3.11作品解説」の表記に若干の修正がありました。
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